飲食店の取材中、子ども連れのお客さんにも安心してお店に来てもらえるための取り組みをされた「珈琲館飛鳥」というお店があることを知りました。どのようにして「子どもにも優しいお店」へと変わっていこうとされたのか、お店の沖野忍さん(3才のお子さんを持つママです)にお話していただきました。
飛鳥の子どもに優しい店への取組み 
 〜子どもにも大人にも愛される店に〜
◇ 8月
以前から、自分に子どもができた頃から気になっていた。
子どもと一緒にご飯食べにお店に入るのって結構勇気がいるし、
お店に入っても子どもがいたずらしないか、騒がないか、食器を割らないか…不安でいっぱい。

私達は仕事の日は家族の時間を持ちにくいこともあって、休日にはよく家族で外食をしてるけど、お店に行って、子ども用の食器やスプーンが出てくると嬉しいし、子どももとても喜ぶのよね。
子どもは嬉しくて一瞬で大人しくなり、それを触っている間は気が紛れて結構静かになったりするんだよね。

なんといっても、そういう食器を出してくれるという事は「お店に歓迎されている」
という感じがあって安心してお店にいられるのが嬉しいよね。

時々お店に来る子ども連れのお母さんを見て大変そうだなぁ、ってよく思っていた。


でも、うちのお店は…子どもの喜ぶもの、ママ達が安心できるもの…何もないなぁ。
何か出来ることは無いのかな?

とりあえず、思いつきで子供用の食器を買ってみたよ。
プラスティックのスプーンにフォーク、コップ、お皿。どれも100円だけど、これなら今直ぐできる!
子どもやお母さんが喜んでくれたらいいなぁ…
◇ 9月上旬

独身時代からずっとお店に時々来てくれてて、今は結婚して子供もいるお客さんが、
「子どもと一緒に飛鳥に行けたらいいんだけど、大人のお店って感じだし迷惑かけそうで、
なかなかお店に入る勇気がないの。」って…。
大丈夫よ!子ども用食器揃えたし。来てきて〜。

子どもを迎えるためのアイテムを揃えるのって、一つ一つはたいしたことでは無いはずなのに、なかなか進まない。
心に余裕がないんだろうなぁ…

結局まだ食器で止まってる。もう一歩踏み出したい。でも何ができるのかな?
こないだ言ってたお客さんのお話を思い出した。
子ども椅子やお子様ランチがあるお店って少ないんだって。そうだ、これだ!メニューはなかなか新しくつくるのは大変だけど、とりあえず椅子ならなんとか…

◇ 10月

家族で何度も相談して、お店も見て回って…
ついに子ども椅子購入!!嬉しい♪

これがあったら、お母さんもお父さんも安心して子どもを座らせてあげられるよね。
パパもママも、皆にゆっくりしてもらいたいもの。少し、子ども連れのお客さんを迎え入れられるお店になったかな?
よし、次はお子様メニューに挑戦だよ!!

◇ 2月下旬

出来た!ようやくお子様セット完成!

10月初めからずっと、どんなランチにするか悩んだなぁ。
栄養もちゃんと考えなくちゃ。いろんな食材を使って、バランスよくね♪デザートもいるいる。
試作を繰り返して、2月にメニューに入れて出してみたよ。
でもお子様ランチって、実は手間がかかるの。いろんな物を使うし、作業が一つ一つ凝っているから。
だから、時間がかかりすぎてお客さんを待たせることに…。で、また考え直し!合間をぬって皆で考え考え作ったから、思ったより時間がかかっちゃったな。
大変だったけど、
お客さんの喜ぶ顔が見れると嬉しい!!
今度こそ、喜ばれるお子様ランチが出来たかな?

そうだ、まだ出来る事あるよ。
ランチが出てくるまで待てない子もいるよね。待ってる時に泣き出したら、お店出たくなっちゃう事だってあるよね。なだめられる物、欲しいなぁ。
いろいろ考えて、絵本と布絵本、色鉛筆を購入。
これでお母さんもちょっと安心できるかな?

長いことかかったけど、食器類に椅子、メニュー、絵本。
とりあえず今できることは、やったよね。うん。頑張ったよ。

お店の雰囲気も、子どもも暖かく迎えられるお店になってると思うんだ〜♪

もともと大人のお客さんの多い店だけど、限定するんじゃなくて、皆に来てもらって、満足して帰ってもらいたいな。お店でゆっくりくつろいで欲しいし。
子どもと一緒に飛鳥に珈琲飲みに行きたい!って思ってくれる人がいるのも嬉しい。「親子三代で来てるんよ」と友人が言ってくれたのはまた嬉しかったなぁ。

出来る事はどうしても限られてしまうけれど、皆様に愛されるお店になれるよう、少しずつでもいいから一つ一つ出来る事から前進していけたらいいな。

           

【感  想】
今回沖野さんのお話を聞いて、子ども連れで飲食店に行く時いつも不安があった私は、お店の方が「ぜひ来て欲しい」「どうやったらお母さんが安心してお店でお食事できるか」と考えてくれたと知り、感激しました。迷惑なばかりだと思っていたので、本当に嬉しかったです(特にわが娘は元気なのもので…)。歓迎してくれるだけでもすごく有難いのになぁ。
それにしても、「子ども歓迎」と一言で言っても、何かを始めるって大変なのですね。「少しずつ出来ることから。」と笑顔でのんびりとお話されていましたが、きっと忙しい中試行錯誤を繰り返して悩んだりもしたのだろうなぁ…。
子どもとお食事に行った時には「こうして欲しい」と思うばかりではなく、「歓迎してくれてありがとう」という気持ちを忘れないようにしよう、と思いました。
お忙しい中、取材に対応してくださってどうもありがとうございました。(てんこ)




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